私は別に金持ちでもなんでもない一般庶民だが、庶民なりに最近思うことがある。分かる人には当たり前の話。

モノやサービスを選ぶとき、金銭的に安い方を選ぶ人、高い方を選ぶ人といる。

では自分にとってどちらを選ぶのが最適なのか?

結論は人それぞれ。

当然、そんなことを言ったらこの話はもう終わりとなる。

で、最近何を思うかと言うと「良くも悪くも副次的効果がついてきやすくなった」ということ。これについてちょっと話したい。

まず「副次的効果」とは何か。

これは選んだモノやサービスそのものの効果ではなく、それを選んだことによって後から自分にもたらされる影響である。具体的に説明する。

パソコン作業をするためにキーボードを買うものとして、3000円くらいの安いキーボードを買うとする。

しかし実際に使っているとどうも打ち心地があまりしっくりこなく、しばらく使っているうちに頻繁に使っているキーが効かなくなる、あるいはキーそのものが外れてしまうなどのストレスに苛まれることになってしまう。

一方で、15000円くらいするお高めのキーボードを買うとする。すると打ち心地が良くて作業がスムーズに進み、キーが効かなくなるといった不具合なども起きず、使っているのが楽しくなりさらにいろいろなパソコン作業をする意欲が湧いてくる。

前者でいうストレス、後者でいう作業意欲がそれぞれ生まれている。これが副次的効果である。

この例だと選んだ個人の範囲でまだ解決できるような話ではあるのだが、周囲の人々が関係するとなるとまた変わってくる。

私の近所には、価格帯や管理会社の異なるコインパーキングが複数点在している。

よく利用するのが3ヶ所あり、1日の最大料金が500円のパーキングA(駐車可能台数6台)、700円のパーキングB(駐車可能台数14台)、1000円のパーキングC(駐車可能台数25台)である。

それぞれこのような特徴がある。

・パーキングAは隣接する車間のスペースが狭くドアがぶつかりやすいため、ドアを開く際は逐一気を遣う必要があり、支払い方法は現金のみ、かつ先払い

・パーキングBは、パーキングAよりはそこまでドアの開閉に気を遣わなくてもぶつからないが若干遠いエリアに位置しており、支払いは現金もしくはクレジットカード、かつ後払い

・パーキングCも、停める場所によってはパーキングAと同様に気を遣う必要があるが、パーキングAやパーキングBよりも利便性の良い場所に位置しており、支払い方法は現金のみ、かつ後払い

いずれのコインパーキングも利用してそれなりの金額を献上してきた経験から言うと、こうした傾向があることがわかった。

1、パーキングAとパーキングCには、停め方が雑な車が多い(寄せすぎ、2台分のスペースを半々ずつ使って停める、サイドミラーが開きっぱなしなど)

2、パーキングAでは、数日間停めっぱなしの車をたまに見かける。フロントガラスの上には督促状がずらり。

3、パーキングBが満車の時は、パーキングAもほぼ100%満車

4、パーキングCは、近隣住所とは異なる本拠地のナンバープレートをつけた車も多い(例:東京のコインパーキングに仙台ナンバーの車が停まっている状態)

5、週末の夕方〜翌朝にかけての満車率はパーキングCが最も高かった。次点でパーキングA。

6、パーキングBは、満車率の高い曜日や時間帯がない(もしくは傾向をまだつかめていない)

いままでは、パーキングCは立地が、パーキングAは金額がそれぞれ最も条件が良かったために利用していたのだが、現在はパーキングBを主に利用している。

多少遠いものの、快適性や支払い方法の柔軟性、トラブル発生率を重視して選ぶようになった。

ドアの開閉にあまり気を配らなくても大丈夫だし、先に現金を用意する必要もなく、他の利用客とモメるような要素が少ないことで精神的な安心がある。これがあるから、Aよりも200円多く支払ってでもBを選んでいる。

要は「多少高くても、その分で安全や信頼を買うことの方が大切な時もある」という話。

これは寿司屋でも同じことが言える。

ほんの少し前に、テレビでのニュースでも取り上げられたスシローでの迷惑事件があったと思う。くら寿司でもそういうのが起こった。

寿司を食べにいくにしても、こうした100円寿司(いまは値上げされたが)のお店に行くというのはこうした質の悪い客も利用している場所に食べに行くと言うことであり、お店が悪くないにしても安全や信頼に対する懸念を承知の上で利用することになる。

逆に回らないような高級寿司のお店に行くと、経営者や会社のお偉いさんのようなエラい人々が客であることが多いので安全や信頼度合いが高いが値段も高くつくが、そうした人々の話を耳にできたり質の良いネタを使った美味しい寿司が食べられたりするので値段相応の満足感を得やすい。

スシロー事件を皮切りに、こうした悪い意味での副次的効果を感じさせられやすくなったように思う。

昨今は日本も徐々に貧しくなってきており、富裕層と低所得者で二極化されようとしているように見える。これによって低所得者数が増えることにより安い方のモノやサービスを選ぶ人数も増える。

という感じでいろいろ言っていたけど、その時々によって求めているものや重視しているものは変わるので判断基準もケースバイケースである。

私もとにかく腹一杯になるまで寿司を食べたいという気持ちであれば100円寿司を利用しているし、安い方で十分満足する人もいるし、なんなら安い方のものが実は当人にとっては高い方のものだった、なんてこともあり得る。

んま、高い方を選びすぎてお金がなくなっても本末転倒なのでバランスが大事だなー