12月22日の毎日新聞に、こんな記事があった。
「アトピー性皮膚炎:中高生最多 幼児期清潔に育ち免疫獲得に難あり」
私もアトピー持ちなので、こういう話は気になる。

ざっと要約すると、
アトピー性皮膚炎を発症している中高生の割合が過去最多となったらしく、理由としては幼少期から清潔な環境で育ってきたため、身体が免疫を獲得することができなかった(獲得しづらかった)
という話。

当事者である彼らは、年齢的にまだこのことをあまりわかっていなかったり、今まで育って環境を振り返って納得できるか、という面はある(といっても、高校生物や化学を履修してるなら、すでに理解している生徒もいると思います。当然中学生でも理解されている生徒はいるかと)。
ただ、この説は確かにあると思われる。
(ちなみに、私は高校では物理をとっていたので、生物学は極めて疎いです。現在勉強中。)

身体の免疫機能というのは、自然免疫と獲得免疫という2つの機能が存在する。自然免疫は体内に侵入した病原体を捕食し、そこで取り漏らした分は獲得免疫のほうで捕まえるようになっている。
侵入してきた病原体に適応する抗体を生成し攻撃、その後生成した抗体は、体内にうまく残ることができればその病原体に対する免疫として機能する。これが獲得免疫である(これも100%ではないため、獲得免疫をも逃れて病原体が侵入した場合、病気を発症する)

つまり、獲得免疫を高めることによって、様々な病原体から身体を守ることができるようになるのだ。
しかし、清潔な環境では、そもそもそのような病原体が存在しないため、免疫を獲得することができない。
今回の記事は、このことを示すものである。

参考:日本血液製剤協会

http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_02.html

(人の免疫系がどのような進化を辿ってきたのか、どのように獲得したのかについては、免疫学という学問があるらしいので、それを学ぶと良さそうです)

汚すぎるのもダメだが、清潔過ぎるのも良くない。
薄々感じてはいたこともあり、少しずつ汚いことにも慣れるようにしている。
というよりも、異質な環境にも適応できるような練習と言うか。

例えば、海外旅行の経験はそのひとつ。
私の場合は、安くてボロいホテルやバッパー(ゲストハウスやユースホステルのような安宿)といった、おそらく日本よりも低級な宿泊施設に泊まることが多かった。まずトイレは日本のように清潔&ハイテクではないし、食器だってそう。部屋だって若干ほこりっぽかったり、ベッドも微妙な感じ(シーツは受付でもらったり、たまにベッドメイキングのある施設もなくはなかった気がするが)。他にもいろいろ。泊まるかどうかはお任せしますが、まぁ、泊まれば大体わかります。笑
もちろん、異国の地の空気を吸うこともそのひとつ。

個人差はあれど、なんだかんだで大人よりも子供のほうが身体は丈夫だったりするので、例えば自然の中に連れて行くことや、砂場で遊ぶこと、海やプールとか、いろんな経験をさせることがおのずと免疫獲得にもつながるはず。
でも、中にはアレルゲンもあるかもしれないので、そのような物資に触れる際は気をつけたほうが良さそうです。